武藤舞さんを偲んで 〜秋葉原通り魔事件〜

今日は武藤舞さんの十三回忌になります。黙祷…合掌。

2008年(平成20年)6月8日、秋葉原通り魔事件は東京都千代田区外神田(秋葉原)で発生した通り魔殺傷事件で7人が死亡、10人が重軽傷を負いました。
 
この無差別殺傷事件で、交差点の惨事を間近で目撃した武藤舞さんは携帯電話で110を押した直後に突然刺されました。

当時の武藤舞さんは東京芸術大学音楽環境創造科4年生、交差点角にあるパソコン店の携帯電話売り場で、短期派遣スタッフとして働いていました。
目の前の交通事故に白いユニホーム姿のまま、飛び出し、武藤さんの携帯電話には110番通報の記録が残っています。

警視庁通信指令本部が問いかけても無言で、通報直後に刺されたとみられています。怪我人を救っている武藤さんになんて酷い事をと怨み続けます。

舞さんはイベントやコンサートを企画する会社を目指して就職活動をし、複数の会社から内定をもらっていて、これからの音楽界での将来が楽しみだったのに..

研究熱心で成績もよく、凶行に遭う前日の7日夜も、キャンパスで夜遅くまで勉強していたといいます。
舞さんは2007年、魚沼市小出郷文化会館の大学アートマネジメント講座に参加します。6日間で朝9時から夜の10時までの超ハードな講座です。

東京芸大や東京大学院、昭和音楽大学、橘女子大学、跡見学園女子大学、新潟大学などアートマネジメントに携わる学生たちです。

日本芸術文化の現状・課題や小出郷文化会館のコンセプトを重視した事業取組み紹介や宣伝カー広報や商店街のポスター貼りの実践なども学びます。

最終日は学生から小出郷文化会館を活かした事業を企画してもらい、プレゼンテーション審査を行い、最優秀企画賞を決定します。

舞さんはクラシック音楽の録音と音響プログラムを提案します。今もなお、舞さん手書きの素敵な企画書は大切に保管しています。

また、会館のうおぬま芸術文化創造プロジェクト事業の一環で制作した「魚沼ジャス講談」の足立区北千住のシアター1010公演にも参加します。
舞さんは、都内大学生を集めてレセプショニストをまとめたり、出演者の楽屋運営を手際良くを仕切ります。頭が切れ、いつも走りフットワークが抜群な優等生でした。

6月8日の午後のニュースで秋葉通り魔殺傷事件に武藤舞さんが巻き込まれた事を知り、身体が震えます。なんて理不尽な犯行で幸せを奪われた尊い命、悔しくて涙が止まりません…

夕方から新潟日報やNHK放送局、モーニングショーなどから取材の申し込みが続きます…ご家族に配慮し慎重に対応しています。

舞さんの告別式(音楽葬)が6月12日、東京都台東区上野公園 の寛永寺輪王殿でしめやかに営まれ参列しています。
冷たい雨の中、多くの親族や友人らが参列、武藤舞さんとの最後の別れを惜みます。

会場に入りきれない参列者のために張られた雨よけのテントにも人があふれ、誰からも愛される舞さんの人柄を忍ばせました。 

音楽葬は舞さんの東京芸大の友人らがバイオリンやトランペットで舞さんの好きだったビートルズのヘイ・ジュードや クラシックの名曲G線上のアリアなどしめやかに奏でました。

命日は小出郷文化会館のこけら落とし記念日の前日で必ず武藤舞さん思い浮かべ偲んでいます。合掌。

コーポA&O (桜井俊幸.A&O企画)

【桜井俊幸】 魚沼市生まれ。魚沼市小出郷文化会館を18年は5ヵ月務め名誉館長。後に(公社)全国公立文化施設協会(参与)と文化芸術による復興推進コンソーシアム(東京事務所長)。全国国民文化祭総合コーデネイターなどを歴任。 【コーポA&O】 魚沼市内に5棟や駐車場を経営している。 【あんさ&おっさ】 昭和56年、桜井俊幸、治兄弟で結成したオリジナルフォークデュオです。今年8月44年目を迎える。

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