アウトリーチ、社会包摂の次はジャスへの挑戦
小出小学校
加来陽子さんの『心のふるさとふれあいコンサート』は衛紀生さんのいう社会包摂的な取り組み始めていたようです…
やいろの里
社会包摂(しゃかいほうせつ)文化プログラムの第一人者の衛紀生(えいきせい)さん曰く、社会包摂は生活課題.社会的課題の解決のために地元の人たちに、アートを通じた体験の機会を多様に提供すること言います。
文化芸術に備わる特性を活かし、社会的に孤立や困難を抱えている人々に対して社会参加の機会を開き、社会的課題の緩和や解決に取り組む継続的活動としています。
衛紀生さんは2007年からalaの(アーラ・可児市文化創造センター)館長兼劇場総監督に就任し、劇場からもっとも遠い人たちにアートを届けています。
遠い人たちとは誰か?さまざまな生きづらさや孤立を抱えている人たちや経済的に余裕のない人たちに、暮らしの課題をアートの力で解決しています。
衛紀生さんは早稲田大学中退後、虫プロダクション企画演出課に勤務。ほぼ同時に演劇批評家として雑誌「新劇」等に連載を始めています。
70年代後半、山崎哲、渡辺えり子、北村想、竹内銃一郎らをいち早く評価して第三世代のネーミングマスターとなります。
80年代後半からBSエンターテイメント・ニュースの演劇キャスターを務め、93年に地域演劇の振興と演劇環境の整備を目的に舞台芸術環境フォーラムを設立します。
早稲田大学文学部講師や県立宮城大学事業構想学部・大学院事業構想学研究科客員教授を歴任しています。
衛さんは私が館長就任当時(平成7年)文化庁の文化時報の座談会で初面識、その後は全国的な芸術文化セミナーなどで度々お会いしています。
(公社)全国公立文化施設協会の事務局参与就任後は芸術文化活動の意義や社会包摂についてご教授いただきました。
衛さんが2007年からalaを拠点に社会包摂事業に取り組みますが、小出郷文化会館はそれよりも7年も早く社会包摂的な取り組みを初めていたとは驚きです。
私のライフスタイル、あんさ&おっさの活動(昭和56年結成)も昭和61年頃から小出郷の福祉施設等の六花園や美雪園、八色園などで慰問コンサートを始めています。
六花園慰問コンサート
八色園慰問コンサート
平成7年からは地元の社会福祉協議会が始めた「ふれ愛クリスマス会」に参加して、障害者の皆さんとの交流イベントが年中行事(平成7年〜27年)になっています。
ふれ愛クリスマス会
障害がある人もない人も一緒になって楽しめる会で、私たちの歌も覚えてくれて、ステージに上がっては共に歌い踊ってくれます。これらの活動も社会包摂事業といえるようです。
魚沼よいとこ住もうじゃないか あんさ&おっさ 作詞 桜井俊幸 作曲櫻井治
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さて、平成14年はアウトリーチ事業としてクラシックから日本の歌(社会包摂)まで広がりましたが、実はジャズの学校訪問コンサートにもチャレンジしています。
会館ではオープンから市民プロデュースとしてジャズ実行委員会や映画を見る会、なるこ絵馬実行委員会などの企画運営をする人材育成事業として展開していました。
昭和の後期に小出公園で開催していたコスモス音楽(ライブピクニックin小出)の有志が小出郷体育館でドンフリードマン、ローランドハナ、中山英二さんを招聘してジャズコンサートを開催しています。
ジャズの市民プロデュースをその彼らに声がけしましたが、もう活動はしていないと断れたため、住民に募集をしたところ魚沼文化祭(上々颱風野外コンサート)の実行委員会のメンバー数人がジャズ実行委員会に参加してくれました。
平成8年12月に雪見ジャズがスタート、その後クリスマスナイトJAZZに名称を変更して現在に至り、恒例の初冬のジャズイベントになっています。
平成14年の(財)地域創造の補助金を活用して「ジャズアーティストが学校にやって来た」と題して入広瀬小学校と小出小学校でのアウトリーチを試みます。
入広瀬小学校
運良く響きの森公園でジャズフェスティバルの事業の一環として、アウトリーチからツモへの取り組みとして補助金が採択されます。
ジャズフェスのプロデューサーの大隅寿男さん率いる大隅寿男トリオ(piano:森下滋.contrabass:金子健. drums:大隅寿男)が学校訪問コンサートを快く引き受けくれます。
せっかくなので、児童の親子さんたちにも声をかけ、親子でジャズを楽しんでもらえるように心がけ、このことが来年に向けて功を奏します。
新潟県内のテレビ2局がニュース取材、雰囲気は映像をご覧ください。⬇️
ジャズ学校訪問コンサート 大隅寿男トリオ
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ジャズ学校訪問コンサートは児童が好きなアニメのテーマソングやドレミの歌など演奏、またオードソックスな音楽とジャズとの違いをゲゲゲの鬼太郎で解説するなと児童の心を鷲づかみしています。
私から音頭をとってジャズ演奏に合わせて私の母校小出小学校の校歌を合唱してもらうなど、楽しみながらリラックスしてジャズを楽しんでもらいました。
一方、フェスティバルは大隅寿男スーパーカルテット、阿川泰子グループ、ジョージ川口NewBig4+1とピックアーティストを招聘し最高に盛り上がり、小出郷文化会館の夏の風物詩として定着します。
新たな試みでアウトリーチのジャズ学校訪問コンサートを実施しましたが、児童や学校PTAからもとても評判が良く、来年も実施したいと気持ちがはやるのでした。
平成15年も響の森ジャズフェスティバル(ケイコリー、寺井尚子グループ、大隅寿男トリオ、響の森スペシャルユニット)の一環事業としてジャズのアウトリーチを企画します。
学校訪問は小出小学校と堀之内小学校で開催。小出小学校は創立百三十周年記念として、記念実行委員会とジャズ実行委員会とが共催して試みます。
大隅寿男トリオ(堀之内小学校玄関にて)
学校の記念事業との連携は、出演料は記念実行委員会が賄い、運営はジャズ実行委員会が担うといった会館と学校との交流が深まり、ジャズを継続して開催する体制が育まれます。
これを契機に翌年から学校ジャズコンサートは学校主催で行われるようになり、新たな展開に広がります。このことにより、クラシックの学校訪問コンサート(会館主催)の受け入れもスムーズになり、一石二鳥の成果になりました。
晩秋には、小出町本町のベルロード商店街とも連携し、空き店舗を活用してのジャズサロンコンサートを実施しています。小出町高橋町長も参加してくれて大変喜んでくれました。
後に会館のフランチャイズ団体のバイオリンランドクラブの指導者、安部慶子先生(violin安部慶子cello崎野敏明piano楠山裕子)が病院や特別養護施設で心癒される素敵なコンサートを開催したり…
小出郷リコーダーオーケストラの指導者、吉澤実さんが湯之谷村の議場でサロンコンサートや学校訪問コンサートを展開するなど会館のフランチャイズ団体からのアウトリーチも増えていきます。
更には、会館の大学アートマネジメント講座に参加した学生(新潟大学.東京大学院.東京芸大.アータグロ等)たちも学校訪問や地域イベントへのコンサートに率先して取り組むなど多様な可能性が生まれたのでした。
尾瀬三郎供養祭(銀山湖)アータグロ
アウトリーチの様々なジャンルへの挑戦により、地域に文化ネットワークが構築されつつあり、喜びもひとしおです。
このような取り組みは、中越大震災の被災者へ文化芸術の力を活かして、傷ついた被災者を癒やし励ます文化からの心の復興にも寄与することになって行きます。
つづく
付録
日本財団図書館
「雪がとけたらジャズフェスだ、中越地震を文化の力で乗り越えろ!」〜頑張れ!大工の館長 新潟・小出郷文化会館 桜井俊幸物語〜取材・文 秋谷銀四朗
日本財団図書館(電子図書館) 「The Seinen」 2005年 第328号
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www.zaidan.info
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