「音楽・地域・未来」シンポジウム
平成9年度から魚沼市小出郷文化会館が初めてきたアウトリーチコンサート、地域の様々な場所.学校.福祉施設.避難所に、音楽家と出かけていきます。
魚沼市の人たちがそこで音楽と出会います。音楽家が磨いてきた芸術の力でその場にいる人たちの心に響き動かします。
生演奏は音楽家と聴衆とのキャッチボールであることから、聴衆の受け取り方で音楽家自身の心も動かしていきます。
パネルデスカッションではアウトリーチから何が生まれてくるか、どんな変化が起きてきたのか、今後どうしたらよいのかを検証します。
平成10年、昭和音楽大学の小林真理(当時昭和音大音楽運営学部助手、現在は東京大学院教授)さんに大学アートマネジメント研修合宿を小出郷文化会館で出来ないかと相談します。
実はこの年に新潟県の一村一価値づくりに企画提案しています。それは、あそび.まなび.ふれあう文化のまちづくり「魚沼文化自由大楽の建設」構想です。
文化会館脇に大楽を機能させるための校舎及び宿泊棟をつくることにより、新潟県全体の芸術文化や生涯学習推進の核施設となり、22世紀に伝える心を育むとして申請します。
結果は一村一価値づくり奨励賞を受賞。小出郷文化会館を核として文化のまちづくりを創出する夢を描き、これに小林真理さんは共感してくれました。
早速、昭和音楽大学の下谷川理事長に小林さんと交渉、平成11年から試験的に研修会をスタートし、平成13年からは新潟大学も参加しています。
後に昭和音楽大学・新潟大学研修提携事業から大学アートマネジメント研修合宿事業に拡大し、跡見女子大学や東京藝術大学、東京大学大学院からも研修生が増えます。
このような継続的な取り組みから、パネルデスカッションには大学アートマネジメントの研修生がこぞって参加しています。
第○部 学生デスカッション
昭和音楽大学.新潟大学.東京藝術大学.東京 大学大学院.武蔵野美大大学院.他大学
武祷京子(昭和音楽大学教授)
横坂康彦(新潟大学教授)
熊倉純子(東京藝術大学教授)
小林真理(東京大学院教授)
第1部 パネルデスカッション
パネリスト
横坂康彦(新潟大学教授)
加来陽子(ミュージカル女優)
星野芳昭(魚沼市長)
コーディネーター
桜井俊幸(魚沼市小出郷文化会館館長)
第2部 アリス=沙良・オット
ライブ・レコーディング
(出演者インフルエンザのため中止)
音楽家が地域に出て行くことの意味は…そうしたことの中で地域は変わるのか?音楽の価値はあるのか?それぞれのパネリストの立場で語ります。
貴重なパネルデスカッション映像がありましたのでご紹介します。⬇️
⓪ 総務大臣表彰授与 星野義昭市長
企画運営委員長 庭山昌明
サポーターズクラブ理事長 坂詰重雄
皆さんの証言からアウトリーチプログラムは会館や地域、芸術家、大学、学生たちは、まちがいなく様々な変化が生じました。
音楽・芸術文化はどうも人々や環境を変える力を秘めているようです。
………………………………………………………
平成17年度のアウトリーチは6回のサロンコンサートと11回の学校訪問コンサート、5回の地域連携事業を展開しました。
①サクソホーン・カルテット
小出子育て支援センター(小出)参加者56人
堀之内小5.6年生130人
小出中2年生138人
②古典四重奏団
旧守門村議会議場(守門)参加者64人
井口小5.6年生110人
広神東小4〜6年生143人
③オーケストリオ・チューリヒ
旧湯之谷村議会議場(湯之谷)参加者41人
入広瀬小3〜6年生53人
須原小4.5年生51人
④稲岡千架 ピアノ
神湯温泉ロビー(広神)参加者48人
宇賀地小3.4.6年生71人
伊米ヶ崎小4〜6年生51人
⑤宝井琴梅&森下滋 ジャズ講談
穴沢ふれあい館(入広瀬)参加者35人
伊米ヶ崎公民館 参加者40人
上条小4〜6年生31人
東湯之谷小4〜6年生49人
⑥池上英樹 マリンバ
宮柊ニ記念館(堀之内) 参加者90人
広神西小4年生31人
サロンコンサートが7公演で総参加者数が374人、学校訪問コンサートは11公演で総参加者数が872人でした。
アウトリーチプログラムは魚沼市になっても芸術文化を旧6町村にバランスよく届けるスタンスはかえず継続しています。
多彩なサロンコンサートを展開する小出郷文化会館に、また一つ新しい成果が加わった。(中略)
小出郷文化会館で行われてきたルドルフ・マイスター教授のピアノ・セミナー受講生の一人が、そのままマンハイム州立音大に渡ってマイスター氏に師事し、五年後にドイツ国家演奏家資格コースを首席で終えて、同館主催のサロンコンサートに出演。
しかも、マンハイム・モーツァルト・コンクール優勝者らしい、堂々たる演奏ぶりで聴衆を熱狂させた。このスケールの大きな若手、稲岡千架はこのセミナーから本格的な才能が育ち、アーティストとしてリターン出演した最初の例となる。(横坂康彦・新潟日報)
このようにマスコミ報道で紹介されます。稲岡千架さんは帰国後ピアニストとして活躍し、ルドルフ・マイスターピアノ音楽合宿のプロデューサーも担っています。
………………………………………………………
県内公立ホール連携事業では小出郷文化会館のアウトリーチのアーティストとリンクして村松町や長岡市、豊栄市で事業を展開します。
①東西をつなぐファンタジー
オーケストリア・チューリヒ
村松さくらんど会館 参加者60人
②モーツァルトが見た空
稲岡千架(ピアノ)
村松さくらんど会館 参加者70人
③講談&ジャズ・ピアノ
宝井琴梅(講談)森下滋(ジャズ・ピアノ)
長岡リリックホールロビー 参加者80人
④これぞ神業!打楽器の妙技
池上英樹(マリンバ)
豊栄こまくさホール 参加者120人
県内公立ホール連携と小出郷文化会館のアウトリーチの音楽家を上手くリンクさせることにより、音楽家の公演回数が増えると共に経費的側面からも、公演費や人件費、広告費なども出演者側、企画者側双方にメリットがあり、一石二鳥の企画になりました。
アウトリーチから様々な展開が生まれ、県内公立ホールから県外の公立ホールとの連携へ発展します。ホールから地域へ、地域から県内県外のまでネットワークが出来つつあります。
このノウハウは魚沼産⭐️夢ひかりキッズミュージカル、魚沼産ジャズ講談の制作からの県内県外公演へと発展していきます。
震災から3年目の平成18年度は(財)地域創造から3,000万円の復興支援金を受け、中越大震災復興祈念プログラム(中越地域でのサロンコンサート12回、学校訪問コンサート24回)に挑戦します。
つづく
付録
0コメント